切れ過ぎる包丁は危なくて使えない

ブクマコメントに星を付けたら小倉氏ご本人だったので簡単にでも言及しておく。

ひき逃げ犯人が容易に追跡されるような仕組みも、弁護士が儲かる仕組みだということで反対されるのだろうか。被害者が正しく被害回復しあるいは更なる被害を防止することで結果的に弁護士が儲かるのは悪くないのでは
はてなブックマーク - 相手に面と向かっていえないことを匿名でいうのは卑怯者だ - カナかな団首領の自転車置き場ダイアリー

その例えなら御尤もだし、有用なサービスを提供することで儲かるのは正しいことだ。
ただ、例示に予め「価値(=ひき逃げ犯人の追跡)」を導入するのはフェアではない。だから、カウンタの例示をしてみる。
これはあくまで「実名主義」の主張に対するカウンタであり、「弁護士が儲かるのは悪くない」という主張に対するカウンタではない。


例えば、ストーカーを容易に追跡できるような仕組みとして、顔写真から住所、氏名を割り出せるシステムを作って一般公開したらどうなるであろう?
当然、ストーカーに対する抑止効果は期待できる。が、同時に別の犯罪に利用されてしまう危険性も考えられる。顔写真でなくとも指紋検索システムを警察が一般公開するという例でもいい。

過度なトレーサビリティは別の問題を引き起こすのではないか。


実名を義務付けることによるメリットとデメリット両方を考えた場合、私は「実名主義」を支持しない。だから、実名によるメリット(或いは匿名によるデメリット)だけを繰り返し主張されても、説得力がないばかりか単なる印象操作に感じてしまうのである。


[追記]
「ストーカー」による例えは「ストーカー防止法」の定義から考えると「抑止効果」は期待できないかもしれない。その辺りは差っ引いて欲しい。