功利主義 - まずは計算してみよう

もはや別の話ではあるが「子猫殺し」の流れである。前に、特に新しい考察は得られなかったと書いたが、新しいものが見つかったので勉強してみたい。

http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20060824/p1

脳の反応を元に、功利主義が動物まで拡張されているらしい。
復習がてら「功利主義」を検索したが、概念的な理解に齟齬はない。件のシンガーの著作「動物の解放」をいきなり読んでも問題ないだろう。

とりあえず、読む前の雑感:

  • この功利主義は動物の他者性、到達不可能性をどう扱っているのか。
  • これ自体は社会性を排除したものと推測するが、社会性への回収をどうしているのか。
  • 脳の反応を元にすることの妥当性はどうなのか。

2つ目は「子猫殺し」批判への適用のポイントだろう。飼い主の功利とペットのそれをどのように合計するのか。これが上手くない場合は、ペットの躾も批判の対象になる*1と思われる。


動物まで拡張された功利主義というのは私にとって新しいものであるが、特に期待しているわけでもない。功利主義的精神の倫理的意義は認めるものの、現実的に適用可能なのは経済学だけだと思うからだ。この功利主義をそのまま人間に適用するのは多分無理だろう。

そもそも「幸福は計算可能」というのが頂けない。
というか、計算してから言えよ! > ベンサム

*1:躾はペットにとって苦痛であろう。それを補填するにはどうしても飼い主の功利が必要となる。これは死に舞さんの批判への反論となりうる。